劇団四季 オペラ座の怪人 2023.6.24 感想 ☆ 佐野正幸ファントム 藤原遥香クリスティーヌ 岸佳宏ラウル

観劇・映画鑑賞レポ

2023年6月24日、
オペラ座の怪人 大阪公演、
ソワレに夫婦で行ってまいりました。
今回の観劇は、
この大阪公演だけでカウントすると
4回目になります。
で、気になるキャストですが、
週明け6月19日に発表された時点では
ファントム=飯田洋輔さん
クリスティーヌ=藤原遥香さん
ラウル=岸佳宏さん

でした。

前回、
飯田ファントム×牧クリスで観た時、
初見の牧貴美子さんが
想像を絶するドンクリスだったので、
全神経を牧ドンクリスに持っていかれ、
同じく初見であったはずの
飯田ファントムを
全く楽しむことができなかったのです。
ですから今回、
藤原遥香さんとの組み合わせであれば、
間違いなく本来の飯田ファントムの
素晴らしい歌やお芝居を
拝むことができるだろうと、
大変嬉しく楽しみにしておりました。

が、まさかの前日キャスト変更。

6月23日に、突然、
ファントムは佐野正幸さんに
変更になってしまいました。


飯田さんに何があったのか
心配でもありましたが、
ジーザスのカヤパに
持っていかれてしまったようです。

ジーザス東京公演は6月22日開幕し、
カヤパは高井治さんでスタートでした。
23日はそもそも休演日でしたので、
高井さんに何かあったのでしょうか…

いずれにせよ、飯田さんは、
週前半は大阪でファントム、
週末は東京でカヤパという、
考えただけでも、
身も心も大変なスケジュール。

そして、大阪のファントムは
佐野さんに。
佐野×藤原×岸は
前々回観ており、
本当に素晴らしかったのですが、
一度観たことがある組み合わせ。
できれば別の組み合わせで
観たかったというのが
本音であります。

なにしろ、
我々にとってはこの6月24日が
本大阪公演では、
最後の観劇になるかもしれませんので、
余計にワガママを言いたくなります。
でも、佐野さんも、
前週まで3週間ファントムを演じられ、
やっと休息期間に入られているところを、
また大阪までわざわざ
戻ってきてくださったのかと思うと、
なんともありがたい話です。
佐野さんが来てくださらなければ、
急遽公演取り止めに
なっていたかもしれません。
前々から
チケットを予約している身からすれば、
急に公演取り止めになることほど
ショックなことはありませんから。

最近どの公演も、
急なキャスト変更が
頻繁に行われているので、
流行り病が
影響しているのかもしれませんね。

それでは、
6月24日のキャストでございます。

アンサンブル以外で
2023年2月11日に観た時と異なるのは
・ピアンジ 山口泰伸さん⇒山田充人さん
・ルフェーブル 志村要さん⇒勅使瓦武志さん
・ブケー 見付祐一さん⇒村田慶介さん

以上の3役のみ。
あとは全部一緒。
せめて、メグとか、マダムとか、
前のキャストと別の人だったら
ワクワク感が増したのですが…

いろんな俳優を見たいので、
ちょっと残念ですが、
もうしばらく見られない公演かもしれませんし、
ありがたく、観劇させていただきます。

前置きが長くなりました。
では感想に進みます。

オペラ座の怪人 佐野正幸さん

心の中では、「また佐野さん…」
そして、「まだ佐野さん…」と、
思ってしまいます、
ごめんなさい。
だって、35年以上前、
それこそラウルだった頃から
この演目で、
何度も佐野さんを観ているんです。

ファントム役になってからも、
数えきれないくらい観ました。
もう彼は今では
劇団四季「オペラ座の怪人」の
主みたいなもんですよね。

今回、歌唱においては、
不調とまでいかないですが、
本調子ではないご様子で、
高音で、まず声を小さく音に当ててから
徐々に伸ばしていくような
「ん?声が出にくいのかな?」
と思わせる瞬間が何度かありました。
特に一幕でそのように感じられました。

劇団四季は基本、
週単位のキャスト変更で、
ひとたび決まると
連日登板になることがほとんどです。
毎日舞台に立っていれば、
人間ですから、
体調が良い日も
悪い日もあるわけです。
プロである以上
自身の時々のコンディションを鑑み、
時には上手にごまかしつつ、
大きな失敗に転じないようにするのは
テクニックとして絶対に必要だと思うので、
やっぱり佐野さんは
さすがだなって思いました。
人生一度きりの
オペラ座の怪人の観劇であれば、
「この俳優、あんまり声が出てないね」
の一言で終わってしまうかもしれませんが、
複数回見ている人にとっては
そういう、俳優さんの微妙な変化も、
楽しみの一つと言っても
いいのではないでしょうか。

今は飯田さんや清水さんなど、
若いファントムが台頭していて、
ボリュームのある歌声や
ロングトーンばかり賞賛されがちですが、
佐野さんのファントムの演技は、
本当に素晴らしいです。

現ファントムの中で、
観ていて一番憐れさを感じるのは、
間違いなく佐野ファントムです。


この感じ、
ある程度年齢を重ね、
かつ、相当演じ込んで、
数もこなして、
肩の力が抜けないと、

きっと出せないだろうなって
思います。

彼がキャスティングされると、
長年四季を観ている我々にとっては、
見飽きた感が強いがために、
ついつい、
残念な気持ちになるのですが、
実際観に行くと、
彼のファントム芝居には、
いつも納得させられます。

今ファントムを演じている
若い俳優さんの中で、
60歳になっても、
劇団四季で、
ファントム役を続けている人が
果たして存在するのかどうかと考えると、
一人もいないような気がします。
長年の劇団への貢献度、
ずっと主役として
作品に出続けることができる
体力・歌唱力・若々しさの維持、
役に対しての真摯な姿勢
作品への愛情……
そういったものが

すべて揃っているからこそ
長年出演し続け、
今現在も

演じ続けることができるのだと
思います。
やっぱり佐野さんは
スゴイんだなって心から思います。

クリスティーヌ 藤原遥香さん

前回、初めて
藤原遥香さんのクリスを観て、
また是非観たいと思ってました。
今クリスを演じている俳優の中では、
彼女のクリスが一番好きなので、
今回も楽しみに劇場へ。

相変わらずの、
とことんピュアな
可愛らしい
クリスティーヌでした。


クリスティーヌの設定年齢には
諸説ありますが、
17歳~20歳位と言われています。
2004年公開の映画においては
クリスの設定年齢は16歳で
クリスを演じたエミー・ロッサムは
本当に実年齢16歳で
クリスにキャスティングされたそうです。
国や時代背景を考えると、
16歳というのは、
今よりはかなり
大人だったのかもしれませんが、
それでも
若っ!!!って
思ってしまいますよね。

でも、
子犬のように可愛らしい
藤原クリスなら、
この年齢設定も難なくクリアです。
海沼さんや、牧さんよりも、
少しふっくらとしたプロポーションも、
よけいに
可愛らしさが増して見えます。

前回も書きましたが、
彼女のクリスは、
不思議なほどイヤミがなく、
その純粋さが、
よりファントムを醜く、
そしてラウルをカッコよく
見せてくれるんです。

彼女がクリスを演じている時は
ファントムもラウルも、
感情ノリノリなのが
客席にもよく伝わってきます。

前回と違って見えたのが、
劇中劇「ドンファンの勝利」の
アミンタを演じている時。
以前より、妖艶さが増して、
歌い方もとても艶やかに

変わっていたように思います。
アミンタは娼婦の役ですから、
全然OKだと思います。
クリスティーヌとは違った
別の魅力を感じ、
藤原さんはもっともっと、
いろんな役ができる
俳優さんなのかもって
思いました。


これからのご活躍を
本当に楽しみにしています。

ラウル 岸佳宏さん

大阪公演、5回観たうちの、
4回が、岸ラウルでした。

初めて岸さんを観た時は
海沼クリスとのコンビでしたが、
正直しっくりこなかったです。
その前に観た
山本クリス×加藤ラウルが、
とてもよかったので、
何だか物足りない感じがしました。

でも今の岸さんは、
最初に観た岸さんとは、
全然違います。
身も心も
まさにラウルです。

クリスと愛を誓い合った後は、
いかなる時も
常に目線は
クリスを追いかけていて、
愛が伝わります。

藤原遥香さんのこと、
実生活でも好きなんじゃないですか?
実は藤原遥香さんと付き合っていませんか?
ひょっとすると

本当に結婚の約束をしてたりしませんか?

岸さんに会えるなら、
そんな質問をしたいくらい、
もう、二人は、それはそれは、
♡ラブラブ♡です。

藤原クリス×岸ラウルは
ゴールデンコンビです。


大阪公演の後は横浜公演ですから、
まだこの二人を観ていない方は、
必見だと思います。

そのほかのキャスト

あと印象的だったのが、
ピアンジを演じていらっしゃった、
山田充人さん。
昨年秋にアナ雪のオラフで拝見して、
とてもほんわかした、
独特な魅力のある方だなって
思っていたので、
大阪に来てくださって
嬉しかったです。
山田さんらしいピアンジでした。

石橋杏実さん、
前回観た時は
メグとしてデビューされたばかりで、
歌が不安定だなって思ったのですが、
今回は安心して見ることができました。

アンサンブルでは、
石田真子さんのバレエが、
バレエテクニックも、見栄えも、
ピカイチで美しく、素敵でした。

まとめ

8月に千秋楽迎える、
オペラ座の怪人 大阪公演。
ひょっとすると、
我々の観劇は、
この6月24日が
最後となるかもしれません。

多少の体調不良であれば、
這ってでも出演していた時代とは異なり、
コロナやインフル、はしかまで流行して、
俳優さんも、幸か不幸か、
すぐに出演不可となり、
体調不良者がいる場合は
公演取り止めも
当たり前にされるようになりました。

今も各公演、
配役が大変そうですが、
オペラ座の怪人、
取り止めることがなく、
千秋楽まで無事完走となることを
心よりお祈りしています。

最後に……
岩城ファントム、
まだ観ていません。
縁がなかったな~。
楽日までにもし登板したら、
観に行ってしまうかもしれません。

そんなことがあれば、
またレビューしたいと思います。

今回は5列目のセンターから観劇。
藤原さんの涙までよく見えました。
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