2023.1.21に
映画「ノースマン 導かれし復讐者」
を観てきました。
安く手に入れたTCチケットの期限が
1月31日まででしたので
それまでに何か観ないと
無駄にしてしまうなってことで、
現在上映中の中からテキトーに
選びました。
前日の日経新聞の
夕刊の映画紹介欄に
高評価されていましたし、
試写会を観た方の評価も
非常に良かったので、
ちょっと期待はしていたのですが、
実際に観た感想は
うーん、微妙。
10世紀のアイスランドを舞台に、
ヴァイキングの王子アムレートが、
父王ホーヴァンディルを
叔父フィヨルニルニ殺され、
復讐&王座奪回を
目指すドラマなのですが……
原作は、
シェークスピアの4大悲劇の
『ハムレット』のモデルとなった
サクソ・グラマティクスの著作
『デンマーク人の事績』と、
北欧神話を絡めた作品で、
9世紀末、
ノルマン人の大移動に伴う
ワリャーグの王朝
キエフルーシ(ロシアの原型)が
建国された激動の歴史を背景とし、
ゲルマン人たちが
キリスト教以前に信仰をした
主神オーディン、フレイ、
ヴァルキリー(ヴァルキューレ)、
ノルン 等、
北欧神話に登場する
神々の物語と
結び付けたストーリー構成。
なので、そういう知識がないと、
「???」となる言葉が多いのです。
注釈でもつけていただけると
わかりやすいかもしれませんが、
映画の中では、
説明は一切なく、
日本人には馴染みが薄く、
作品を深く知るには
勉強が必要かも・・・。
知っていれば
もっとこの映画を
楽しめるんでしょうね。
知識がなくとも、
なんとなく
重厚感は感じられますし、
たぶん、玄人受けのする作りに
なっているんだと思います。
映像は終始暗く
どんよりとした雰囲気。
略奪をほしいままにする
ヴァイキングの生き様が
描かれていますが
それはまぁ
ゾッとするくらい
野蛮そのもの。
『グラディエーター』とか
『トロイ』とか
『スリーハンドレッド』などなど、
マッチョな漢たちの獰猛性や
肉体美を見たい人なら、
満足できる作品なのかも。
アイスランドの大自然を舞台に、
憎しみに満ちた主人公アムレートが
繰り広げる復讐劇は、
それなりに見ごたえはあり、
近年の安っぽい
CG優勢の映像に比べたら、
鑑賞に値する映像ではあります。
最後に、
北欧神話だの
シェイクスピアだの
取っ払って、
純粋に復讐劇として
この映画を観たときの
感想を述べたいと思います。
ヘルゲート(地獄の門=噴火する火口)の
ラストバトルで、結局同時に
二人とも死んでしまうのは
なんだかスッキリしないですね。
まあでも、結局は
ニコール・キッドマン扮する
アムレートの母親が
一番悪かったわけですよね。
だって、アムレートは、
ホーヴァンディルに
強姦されてできた子供で、
ホーヴァンディルなど
愛していなかった。
ホーヴァンディルの弟、
フィヨルニルに
「ホーヴァンディルと
アムレートを殺してほしい」
と懇願した。
すべては
そこから起こった悲劇な訳で。。。
アムレートは
母親が虐げられた生活をしていると
思い込み、
そこから救いたいという気持ちも
大いにあった訳ですが、
当の母親は
ホーヴァンディルもアムレートも
”死んでくれた”と思って、
フィヨルニルと
その間にできた二人の息子と
幸せに
よろしくやってきたわけです。
そんなの耐えられないですよね。
アムレートが
最も復讐の対象とすべきは
まさにこの母親!
アムレート、
母親の胸に剣を突き刺し
自分の手で
殺すことができたので、
本当の意味での
復讐は果たせたので、
よかったのかな、
と思います。