劇団四季 オペラ座の怪人 2023.4.20 感想(酷評含む)☆ 飯田洋輔ファントム 牧貴美子クリスティーヌ 光田健一ラウル

観劇・映画鑑賞レポ

rinの出張中に、
bun一人でこっそりと、
行ってしまいました

「オペラ座の怪人」。
なぜって、
まだ飯田兄ファントムと、
牧クリス
観たことがなかったのです。
大阪で上演しているうちに
観ておきたい、
その欲望に勝てず、
月曜のキャスト発表を見て、
飯田怪人&牧クリスの登板を確認し、
チケットを取りました。
席は13列目の上手ブロック、
中央寄りが取れました。
ちなみに、
私より右側の席は全部空席。
平日の昼ということもあり、
空席が目立ちました。
入場率としては
70%弱といったところ。

基本的に、
優先予約開始当日に
自動予約を入れることがほとんどで、
かなり前の座席が取れてしまうことが
非常に多いのですが、
この演目については、
シャンデリア落下や、
様々な場所に現れるファントムを
すべて見つつ、
役者もある程度近い距離で見ようと思えば、
12~15列目くらいが
ベスポジなのかなって思います。

今回バリューS1席9900円で
観劇したわけですが、
うーん
全体の感想としては
かなり厳しいものとなってしまいました。
別に1万円近く支払って
わざわざ目指して観に行く必要は
一切なかったです。

その主な原因は、
まさに
クリス役の牧 貴美子さんにあります。

ってなわけで、
今回は牧クリスの感想から。
事前にお伝えしておきますが
以降かなりの酷評ですので、
牧さんファンの方は絶対に
スルーしてください。

あくまでも個人の感想です。
どう思うかは人それぞれですから。
でも、作品のファンの方は
私と同じ感想をお持ちの方、
結構多いのではないかと思っております。

クリスティーヌ 牧貴美子さん 

まずは、劇団四季様、
力をめいっぱい振り絞らなければ
高音が出せない牧さんを、
どうしてクリスティーヌに
据えたのでしょうか。


牧さんご本人のためにも、
お金を払って観に来る観客のためにも、
一刻も早く

この役を外してあげてほしいくらいです。
見ていて気の毒です。

出ない声を振り絞って出しているので、
ノドの疲労も毎回相当なものでしょう。
劇団四季ってプロ集団ですよね。
こういうの、
観客として、
見ていて相当ツラいです。

お伝えしておきますが、
私は芸大出のクリスでなくとも、
ウエルカムな観客です。
なぜなら、過去に、
悪夢ともいえる
斉藤昌子クリスや
村田恵理子クリスを
観ていますから。
東京芸大を卒業され、
どんなに歌が上手くても、
家でCDを聞いている訳ではありません。
視覚に訴えるものだってあるのですから、
容貌がクリスからほど遠い俳優が演じると
作品そのものが台無しになります。
そもそも醜いファントムは
クリスティーヌの美しさに
焦がれているのですから、
クリスがブサイク、
クリスがオバサン、なんて
根底が間違っているのです。
若く美しいのが大前提。
例えば、
井料瑠美さんのように、
芸大など出ていなくても、
美しくて歌える、
クリスの素養を持っている俳優は
探せばいるはず。
現在演じている
海沼千明さんだって、
藤原遥香さんだって、
芸大・音大卒ではありません。

牧さんは大阪教育大学の
教養学科 芸術専攻 音楽コース卒。
芸大の声楽科卒ではありませんが、
音楽を専門的に
勉強したうちには入るのでしょう。
過去には五東由衣さんのように
武蔵野音楽音大の
器楽学科ピアノ専攻卒という
クリスもいましたね。

だから、学歴なんて
カンケーないです。
美しくて歌えて、
演技が出来て、
クリスのキャラクターに合う方が
演じるべきなのです。

では、果たして、牧さんは適任でしょうか。

歌声を聞く限り、
もともとソプラノではなく
中音域が得意な印象です。
高音になればなるほど不安定。
音に息が混じり、擦れます。
セリフと歌声が
別人になることも多々あり。
普通のナンバーですら、
危うい部分が山ほどあるので、
「オペラ座の怪人」のナンバーの
最高音HI Eをどう歌いこなすのか、
ナンバーが始まった途端に心配になり、
物語を楽しむどころではありません。
結果、
もちろんHI Eを歌えるはずもなく
口パクであることがバレバレでした。

山本紗枝さんも、
海沼千明さんも、
藤原遥香さんも、
私が観た時は
ちゃんと録音を使わずに
実際に歌っていたので、
最近のクリス女優は
本当にすごいなーって思っていたのに、
この部分を
バレバレの口パクで済ます女優に
久々に出くわしました。
録音使うなら使うで結構ですが、
せめて口パクとわからないような演技で
カバーしていただかないと。


以上の内容だけでも、
十分クリスとしては
致命的なのですが、
歌声よりもっと酷いのが、
演技・所作・立ち居振る舞いです。

動きがまさに”牧貴美子”さんご本人です。
クリスティーヌではないです。
率直に言うと動作がキタナイです。
本来であれば長所になりうる長い手足も
全然素敵に見えず、むしろ悪目立ち。

あの時代のドレスを着用したなら
所作もそれに見合ったものに
しなければなりません。
ジーパンTシャツを着ている時と
同じ感覚で動いているのでしょうか。
どことなくガサツな感じで、
そんな動きを目にするたび、
どんどん気持ちが冷めます。

そしてすべての動作について
段取り臭がスゴイです。
心と体が連動しておらず、
この場面はこう動く、
この動きの次はコレ、
と思わせる動き方が
いちいち目に付きます。
笑顔ですら
非常にわざとらしいです。

クリスティーヌという女性を、
自分の中に
全然落としきれていないんでしょうね。

舞台に立っていない時の
牧さんのお写真を拝見する限り、
見た目は

とてもお綺麗な方なのでしょうが、
この役でちっとも輝けていないので、
むしろ地味に見えました。


全てが下手すぎて、
心配で、
彼女から目が離せませんでした。
作品そっちのけで
頑張って
”牧貴美子のいい所探し”に励んでみましたが、
実に空しい結果に終わりました。


彼女のおかげで
楽しみにしてた飯田ファントムを
吟味する余裕など皆無。
ドラマを楽しむ気持ちには到底なれず。
だって、この話は
クリスティーヌを取り巻く話でしょ。
そのクリスが無惨なほど
ボロボロなんですから、
ファントムもラウルも
あったものではないです。

そしてもうひとつ致命的なことがあります。
それは、この方がクリスとして、
今後回数をこなしたからといって、
徐々に良くなってゆくような希望を
全く感じないということ。

結局は、
完全にミスキャストだと思います。
お綺麗な方ですが、
能力的にも、
キャラクター的にも、
クリスではありません。
配役する側も、
この方を活かしたいなら、
どちらかというと、
岡本美南さんや、
宮田愛さんのようなキャラクターで
伸ばして差し上げた方が
まだいいような気はするものの、
上記のお二人と違って、
演技がかなり酷いので
役付きとしての未来が見えません。
クリスとしてデビューして、
もう1年近く経ちますよね。
回数もそれなりにこなしましたよね。
それでもこの出来映えってことは、
演じるセンスがないんでしょう??
これまでアンサンブルとして、
他の俳優が
クリスを演じているのを見たりして、
勉強もそれなりにしてきたワケですよね。
それでも上達しないんでしょう?
どうかVTR等で
他のクリスと、自分の演じるクリスを、
比較してみて欲しいです。

牧さんに聞きたいです。
チケット代を支払って
楽しみに観に来る観客の期待に
応えることができているとお思いですか。
ご自身の歌声で、
ロイドウェーバーのそれは素晴らしい楽曲を
ちゃんとお客様に届けることができていると
お思いですか。


どの作品であっても、
今の状態で主役を演じられるのは
観ているこちらがキツイです。
この方が主役でなければならないほどの
類まれな華みたいなものも、
何ひとつ感じませんでした。

そもそも劇団四季って
作品主義なんですよね??

俳優さん自身も、
自分が前に出ることより、
作品を一番に観客に届けたいと
思っているんですよね?
だったら、
たとえ配役オーディションに合格したとしても、
リハーサル等の過程で、
その役を演じきれていないと
俳優自身が感じるのであれば、

辞退すべきです。
劇団がミスキャスティングをしたとしても、
俳優の英断で
作品の品質が維持できるはずです。
観客の前に立つレベルに
達しているか、そうでないかは、
俳優自身が一番わかっていなければ
真の作品主義だとは言えないと思います。


めちゃくちゃ言ってすみません。
一番の責任は
劇団側にあると思っています。


私は牧さんが成長するために、
安くないチケット代を払って
公演を観に行っている訳ではありません。
「オペラ座の怪人」という作品を
劇団四季というプロ集団が
どれだけ素晴らしく
創り上げてくれるのだろうか、
それだけを楽しみに観に行っています。
あんな酷いものを見せておきながら、
笑顔でカーテンコールの舞台に立つ牧さんには、
もう違和感しかないのです。

学芸会ではありません。
主役の彼女にも大きな責任はあります。

観客が支払うチケット代で
生計を立てている、
プロの俳優であることを
どうかお忘れにならないでください。

オペラ座の怪人 飯田洋輔さん

エビータのチェで拝見したっきり、
なかなか飯田洋輔さんを
舞台で観るチャンスに恵まれず。
満を持しての観劇でした。
でも、ごめんなさい。
先に記述した通り、
今回はまったく洋輔さんの演技を
堪能できませんでした。

それでも
私の宝物の手を出す奴~♪と
登場なさった時の声量は
山口祐一郎さんが

ファントムデビューしたときの
爆音を思い出させるものでした。

私自身がちっとも
ドラマに集中できていなかったのですが、
最後、クリスとラウルが立ち去った後、
クリスが指輪を返しに戻ってきた時、
思わず身なりを整えて、
男としてクリスに毅然と接しようとする
洋輔ファントムの姿は
とても印象的でした。

肝心のクリスは何も感じないのか、
華麗にスルーしてましたけどね。


普段から洋輔さんは
とてもいい俳優さんだと思っています。

ですが、
お芝居ってキャッチボールなので、

どんなに素晴らしいお芝居をしても、
相手が投げられたボールを
キャッチしてくれなかったら、
そこで終わってしまうんだということが、
本公演でよくわかった次第です。


お疲れ様です。

ラウル 光田健一さん

光田ラウルを見るのは
今回が2回目です。
1回目は
前回の2018年の京都公演でした。
その時は佐野ファントム・苫田クリスでした。
まだ旧演出だった頃ですね。
お鬚をつけたラウルで、
”メチャ背が高くて、結構イケメンやん”
というのが第一印象でした。
でも、それだけ。
ラウルとしては、
なんと言うのでしょう、
「突っ立ってるだけ」感がすごくて、
苫田クリスともイマイチ噛み合っておらず、
オール・アイ・アスク・オブ・ユーでも、
お互い好きであるという熱を
一切感じなかったので、
もう少しラウルには
頑張ってほしいなって感じたのを
今でも覚えています。

さて、今回ですが、
演出変更を経て、
光田ラウルが
どんな感じに仕上がっているのか
楽しみに観に来ました。
お鬚はなく、
つるるんフェイスのラウルでしたが、
演技は前回よりは、良かったのかも。
この「かも」というのは、
先に記述した通り、
クリスがどの演者とも噛み合わず、
独りで棒芝居を展開されているので
よくわからないんです。
だから今回は、
とやかく言うの、やめておきます。


お疲れ様です。

その他のキャスト

今回観られて嬉しかったのは
メグ・ジリーの黒柳安奈さん。

キャッツのシラバブで観た時から
彼女のこと、好きになりました。
華奢で小柄な体型が、
シラバブにもメグにもピッタリ。
オペラ座のバレエダンサーが
お稽古で着る白いチュチュと
バレエ用のピンクのタイツって、
日本人には難しいお衣装ですよね。
どうしても足が太く見えてしまうので、
なんか無理があるなって
いつも思うのですが、
彼女だけはちゃんと着こなせています。
ふくらはぎが細くて
膝小僧が出っ張っていないから、
バレエ用のピンクのタイツを履いても、
足がスラっとしているんです。
そして何よりも、
歌がとても安定されています。
とても伸びやかな声で、
一番好きなメグです。

まとめ

次は6月にチケットを予約済です。
こんどは夫婦で行きます。
今回の残念な公演を観たことにより、
誰がキャスティングされるか
ちょっと恐怖に感じるように
なってしまいました。
お金も時間も
無駄にしたくはありませんからね。
おそらく、劇団側に
様々な声は届いているはずです。
千秋楽も近いので、
次はよい観劇になるといいなと
思っています。

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